症候を診るポイント
●緊急性のある「めまい」かどうかを判断する.
●めまいを中枢性めまい,末梢性めまい,前失神の3つに分けて考える.
●患者の訴える「めまい」を正確に知るために,めまいを別の言葉で表現してもらう.
▼定義
めまいは「眼」と「回(まひ)」に語源をもち,目が回るという状態を意味する.実際に患者が訴える「めまい」はさまざまな意味をもつため,どのような症状か明確にすることが重要である.また,中枢神経系の障害があるかどうかを診断できるようにしたい.
▼病態生理
病態としてのめまいは回転性めまい,前失神,浮動性めまいに鑑別することができる.
➊回転性めまい
回転性めまいを理解するにあたっては,内耳の構造を把握することが重要である.まずは,平衡感覚がどのように保たれているのかをおさえておく.
内耳は三半規管,前庭,蝸牛の3構造からなり,三半規管と前庭が平衡感覚を司る(蝸牛は音を感知).おおよそ三半規