▼定義・概念
結核とらい菌を除く培養可能な抗酸菌である非結核性抗酸菌(non-tuberculous mycobacteria:NTM)による慢性経過をたどる肉芽腫性感染症である.
▼病態
NTMは自然界や住環境に常在し,現在約190種が知られている.土壌や浴室,シャワーヘッドに存在する菌が感染源になるともいわれている.感染と発病の関係は不明だが,経気道感染による呼吸器感染症が最も多い.わが国で人に呼吸器感染症を惹起する主な菌は約20種類である.
▼疫学
人から人には感染しないので届け出対象疾患でなく,その疫学には不明点が多い.世界的に呼吸器感染症の罹患率上昇が指摘されているが,国,地域により原因菌の頻度は異なる.わが国で2014年に実施された全国疫学調査によれば肺NTM症の罹患率は14.7/人口10万であり,すでに排菌を認める結核を凌駕していると考えられている.わが国ではMycobacter
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