診療支援
治療

【3】気管支拡張症
bronchiectasis
權 寧博
(日本大学教授・呼吸器内科学)

疾患を疑うポイント

●慢性の咳,喀痰がみられ,また,血痰や喀血を認める患者では本症を疑う.

学びのポイント

●気管支拡張症の主な原因について理解する.特に,遺伝性疾患や先天性疾患は,まれではあるが発見の手がかりとなる所見であり,鑑別として挙げられるようにする.また,気管支拡張症の画像の特徴についても理解する.

▼定義

 気管支拡張症は,さまざまな疾患によって引き起こされる不可逆的な気管支拡張像を呈する疾患.肺のさまざまな部分に生じるびまん性気管支拡張や,1,2か所だけにみられる限局性気管支拡張がある.

▼原因

 遺伝性疾患(囊胞性線維症,原発性線毛機能不全症候群),また,さまざまな先天性および後天性免疫不全症,感染(小児期のウイルス性肺炎,結核,非結核性抗酸菌症,真菌感染症),アレルギー性気管支肺アスペルギルス症,肺線維症などがある.遺伝性や免疫不全症に伴うものはびまん性となることが多い.

▼臨床症状

 無

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