●胸部CTにおいては,一般的に肺野条件と縦隔条件を評価する.肺野条件においては肺野の病変や肺血管がよく表示され,縦隔条件においては肺野は真っ黒に表示されるが,縦隔の大血管やリンパ節,胸壁の軟部組織などがよく表示される.肺野条件で認められる肺野の異常所見においては,陰影の分布と陰影パターンが重要で,疾患により特徴的なパターンを呈する(表2-55図).
●一般的に粒状影は5mm未満,結節影は3cm未満,腫瘤影は3cm以上の充実性陰影に対して用いられる.孤立性の結節影や腫瘤影では,良性か悪性かの鑑別が重要となるが,大きさでは小さいほど,形状では円形に近いほど,辺縁では平滑で鮮明なほど良性の可能性が高く,逆に大きく,不規則な形状で,辺縁が不整で不鮮明な陰影では悪性の可能性が高くなる.さらに悪性では胸膜陥入像や血管・気管支の引き込み像,spiculaやnotch所見を認める.空洞を有する場合も,良性で