学びのポイント
●蛋白尿を伴うか否かで治療法が異なる.
●厳格な降圧と蛋白尿減少が透析導入を遅らせる.
●糸球体腎炎や多発性囊胞腎などは原疾患することにより治療アプローチが可能である.
▼定義
腎実質疾患に基づく高血圧と定義される.
▼病態
糖尿病性腎症は高血糖・高インスリン血症により輸入細動脈調節機構が破綻して,糸球体高血圧となることにより過ろ過をきたして蛋白尿および腎機能低下を呈する.
慢性糸球体腎炎では腎機能障害の進行につれ血圧は上昇し,腎生検組織所見で高度な組織障害を有する例ほど高血圧を呈しやすい.Na排泄障害(食塩感受性亢進)による体液貯留,レニン-アンジオテンシン(RA)系の不適切な活性化,交感神経系の関与など