診療支援
治療

代謝・栄養疾患を理解するためのポイント
荒木 栄一
(熊本大学大学院教授・代謝内科学)

ざっくりわかる代謝・栄養疾患

 この章では,代謝・栄養疾患を,大きく①糖代謝異常,②脂質代謝異常,③肥満症とやせ症(るい痩),④蛋白・アミノ酸代謝異常,⑤ビタミンの異常,⑥核酸代謝異常,⑦その他の代謝異常,の7つに分類しています(図6-1)

 主に経口摂取によって消化管内に取り込まれた,糖質,脂質,蛋白質,ビタミンなどの栄養素は消化酵素などにより分解され,消化管から体内へと取り込まれます.取り込まれた栄養素は,エネルギーとして利用されたり,体内に必要な蛋白質や脂質に合成されるなどさまざまに生体を構成する成分へと形を変えていき,個体の生存や恒常性の維持などに利用されます.

 栄養素が,消化管内で正しく分解され,生体内へと吸収され,諸臓器において利用あるいは貯蔵され,不要となったものは適正に代謝されて体外に排泄されていくことが重要ですが,いずれかの時点で障害が起こると,さまざまな疾患を引き起こす

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