疾患を疑うポイント
●満月様顔貌,中心性肥満などのCushing徴候に注意する.
●若年性の高血圧,糖尿病,骨粗鬆症では積極的に疑う.
●月経異常から診断されることがある.
学びのポイント
●適切に治療しなければ予後の悪い疾患であり,重症例では迅速な血中コルチゾールレベルの是正が必要.
●異所性ACTH症候群や偽性Cushing症候群などとの鑑別診断が困難なことがあり,検査結果の総合的な判断が必要.
●ミクロアデノーマの局在診断が困難なことがあり,術後も20%で再発を認めることから,慎重にフォローする.
▼定義
ACTH産生下垂体腺腫によるACTH自律性・過剰分泌が原因で,副腎からの糖質コルチコイド分泌が亢進し,Cushing(クッシング)徴候とともに全身性合併症と予後の悪化を呈する疾患.
▼病態
下垂体腫瘍において糖質コルチコイドによるACTHのネガティブフィードバック機構が破綻し,ACTH自律性・過剰分
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/デキサメタゾン《デカドロン》
- 治療薬マニュアル2024/カベルゴリン《カバサール》
- 治療薬マニュアル2024/メチラポン《メトピロン》
- 臨床検査データブック 2023-2024/副腎皮質刺激ホルモン〔ACTH〕 [保] 189点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/CRH(CRF)負荷試験(コルチコトロピン放出ホルモン負荷試験) [保] 1,200点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/デキサメタゾン抑制試験 [保] 1,200点(包)
- 新臨床内科学 第10版/1 先端巨大症
- 新臨床内科学 第10版/4 下垂体機能低下症
- 新臨床内科学 第10版/(1)副腎腺腫,副腎過形成(ACTH非依存性大結節性副腎皮質過形成)
- 新臨床内科学 第10版/6 異所性ホルモン症候群
- 今日の診断指針 第8版/下垂体機能低下症
- 今日の診断指針 第8版/Cushing症候群
- 今日の診断指針 第8版/Cushing病