診療支援
治療

【2】血小板機能異常症
platelet function disorders
金子 誠
(東京医科大学講師・臨床検査医学分野)

疾患を疑うポイント

●皮膚や口腔粘膜の点状出血や誘因ない多発性全身性の易出血(血小板数低下のない1次止血異常).

学びのポイント

●血小板は1次血栓形成に重要な血球で,血管障害部位への粘着の後,活性化(放出反応)して,血小板凝集により止血する.

●血小板機能異常では,口腔粘膜,皮膚など表在性出血が主体の止血困難,出血傾向を発症する.

●比較的まれな先天性(遺伝性)と,薬剤(抗血小板薬や消炎鎮痛薬)や基礎疾患(造血幹細胞の異常や尿毒症など)による後天性に分類される.

●日常臨床で頻度の多いのは抗血小板薬によるものである.

●治療のためにやむを得ない血小板輸血も繰り返すことで,血小板輸血不応が生じることがある(同種抗体の出現).

▼定義

 血小板の遺伝的な質的異常,または基礎疾患や薬剤による後天性血小板機能障害で,皮膚粘膜の表在性出血症状を呈する病態の総称である(図8-33)

▼病態

 血小板は初期止血反応にお

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