診療支援
治療

1 MRSA,細菌感染
MRSA,bacterial infection
尾田 高志
(東京医科大学八王子医療センター・腎臓病センター腎臓内科教授)

疾患を疑うポイント

●感染症治療中にRPGNやネフローゼ症候群を呈する.

●低補体血症.

●深部膿瘍,感染性心内膜炎(IE),脳室心房シャントなどの存在.

学びのポイント

●黄色ブドウ球菌感染ではIgAが優位に沈着した糸球体腎炎を呈する.

●糖尿病や悪性腫瘍などの背景疾患をもつ高齢の易感染性患者に多い.

▼病態

 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(ブ菌)(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)感染に伴う糸球体腎炎は,当初MRSA独特の病態として1995年にKoyamaらによって報告された.しかし同様の糸球体腎炎はメチシリン感受性黄色ブ菌(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus:MSSA)でもみられること,これら黄色ブ菌感染に伴う腎炎は,蛍光抗体で糸球体メサンギウム領域~係蹄壁にIgAが優位に沈着する

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