疾患を疑うポイント
●50~70歳代に発症し,初期からよく転ぶ.
●垂直方向優位の眼球運動障害を認める.
●無動・強剛などパーキンソニズムがみられる.
●進行が比較的速い.
学びのポイント
●Parkinson病と動作緩慢・無動など共通であるが,Parkinson病と異なり,強剛は四肢よりも頸部や体幹のほうが強い.
●前頭葉徴候や前頭葉性認知症を合併する.
●L-ドパをはじめとした抗Parkinson病治療薬の効果が乏しく,Parkinson病に比べ,機能予後,生命予後が不良.
▼定義
脳幹,大脳基底核,前頭葉などが変性し転倒を伴う姿勢保持障害,垂直性注視麻痺,体軸性強剛,認知症などを呈する進行性の神経変性疾患である.
▼病態
脳幹,大脳基底核,前頭葉などが変性し,異常リン酸化タウ蛋白が沈着する(図10-61図).
▼疫学
わが国では増加が報告され,有病率は10万人あたり約18人とされる.
▼分類
典型例はRic