診療支援
治療

1 梅毒
Treponema pallidum infection,syphilis
山岸 由佳
(愛知医科大学大学院教授・臨床感染症学)

▼定義

‍ Treponema pallidum subspecies pallidum(T. pallidum)による感染症.

▼病態

 感染経路は主に性交渉や類似の行為で,口腔と性器との接触(oro-genital contact)や肛門と性器との接触(anal-genital contact)で感染する性感染症(sexually transmitted infection:STI)である.まれに接触感染や輸血による感染がある.皮膚や粘膜の微小な傷からT. pallidumが侵入することで感染し,局所で増殖したのち,やがて血行性に全身に散布され,種々の症状を引き起こす全身性の慢性感染症である.T. pallidumは感染直後から中枢神経系に浸潤することが知られており,早期神経梅毒(髄膜炎,脳血管型など),後期神経梅毒(神経麻痺,脊髄癆)などをきたす.梅毒症例ではしばしばHIVなどその他の感染

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?