診療支援
治療

(2)側頭動脈炎
temporal arteritis
山岡 邦宏
(北里大学教授・膠原病・感染内科学)

疾患を疑うポイント

●頭痛(側頭部)の出現.

●50歳以上で高熱を伴わない原因不明の高CRP血症.

●リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)による筋痛や上肢挙上困難を合併することが多い.

学びのポイント

●頭蓋外分岐した頸動脈の中型血管における原因不明の炎症.

●IL-6が病態の重要な役割を担っている.

▼定義

‍ 原因不明の血管の炎症により浅側頭動脈や眼動脈などの頸動脈の頭蓋外分岐の血管が侵される疾患.炎症により肥厚した動脈壁の中に多核巨細胞が観察されることから巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis:GCA)ともよばれる.大動脈や鎖骨下動脈が侵されることもあり,高齢発症の高安動脈炎との鑑別が困難なことがある.

▼病態

 高安動脈炎とGCAの鑑別は容易でないが,高安動脈炎が動脈中膜外側の炎症を中心とするのに対してGCAは中膜内膜側に炎症が観察される.

▼疫

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