疾患を疑うポイント
●臍帯脱落遅延に加え,新生児期の好中球数の極端な上昇や反復性細菌感染,膿瘍形成のない皮膚感染症,幼少期からの歯周囲炎(歯槽膿漏)が疑う手がかりとなる.
学びのポイント
●食細胞の粘着依存性機能異常が病因.
●LAD1では臍帯脱落遅延と膿瘍を形成しない感染症が,LAD2は上記症状に加え,まれな血液型〔Bombay(ボンベイ)型〕と精神発達遅延が,LAD3ではLAD1と同症状だが,低身長と血小板機能障害と出血傾向が認められるのが特徴である.
▼定義
食細胞の粘着能低下による易感染性を伴う疾患である.
▼病態
LADの基本病態は白血球のインテグリンファミリー(integrin family)かセレクチン(selectin)リガンドの粘着蛋白機能障害で白血球粘着異常または血管壁ローリング障害により,炎症局所に白血球の動員ができず,末梢血の白血球増多と膿瘍を形成できない感染症が惹起される.病