診療支援
治療

神経病性関節症(Charcot関節)
Neuropathic arthropathy (Charcot joint)
大野 久美子
(東京大学医科学研究所附属病院 助教(関節外科))

【疾患概念】

 神経病性関節症は,足や足関節の破壊を伴った進行性変性を特徴とした関節炎として,神経病理医のCharcotが1868年に報告した.本症は末梢神経障害の合併症の1つで,骨や関節の増殖性変化と破壊が混在した,著明な関節変形をきたす疾患である.原因疾患として,糖尿病が最も多く,ほかには脳血管障害,Hansen病,脊髄疾患,Parkinson病,HIV,サルコイドーシス,リウマチ性疾患,毒性物質曝露が挙げられる.病因は不明な点もあるが,現在考えられているのは,神経外傷性説や神経血管作動性説,さらに両者を合わせた説である.感覚障害があることで外傷に対する防御機構の低下や,さらに局所の血流上昇と虚血により,炎症性サイトカインであるTNF-α(tumor necrosis factor-α)などが上昇することでRANK(receptor activator of nuclear factor

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