【疾患概念】
若年性特発性骨粗鬆症(idiopathic juvenile osteoporosis;IJO)は思春期前の健康な小児に発症するまれな疾患であり,Dentらによって1965年に初めて報告された.全身性の骨密度低下により,椎体や長管骨の病的骨折をきたす.思春期発来後数年の回復期を経て自然に軽快するself-limitingな経過を特徴とするが,一部には脊椎側弯や胸郭の変形などの永続的な後遺症を残す例もあり,成人期にも易骨折性をきたした報告もある.
若年性特発性骨粗鬆症の病因は明らかになっていない.血清Ca,P,ALPは通常正常であるが,Caのin-outバランスが発病初期には負に,回復期には正になっているという報告や,1,25-(OH)2Dの低下との関連性の報告,カルシトニンの低下が関与しているという報告などがある.臨床経過と思春期との関連からはゴナドトロピンやエストロゲン,テ