診断のチェックポイント
●定義
❶黄疸とは:血中ビリルビンの増加により,皮膚,結膜,粘膜,その他の組織へビリルビンが沈着し,組織が黄染した状態である。血中ビリルビンには非抱合型(間接)と抱合型(直接)の2種類があり,黄疸がみられた際には,まず血液検査にて間接ビリルビンと直接ビリルビンのどちらが優位に上昇しているかを把握する必要がある。上昇するビリルビンのパターンにより病態が大きく異なる(図1図)。
❷間接ビリルビンが高い場合:ビリルビン産生増加(溶血性疾患,赤血球産生異常,新生児黄疸など),肝のビリルビン取り込み障害(心不全,敗血症,薬物,飢餓など),グルクロン酸抱合の障害(Gilbert症候群,Crigler-Najjar症候群,新生児,甲状腺機能亢進)などを想定する。
❸直接ビリルビンが高い場合:ビリルビンの排泄障害(Rotor症候群,Dubin-Johnson症候群),肝細胞障害(急性肝炎,