診断のチェックポイント
●定義
❶脳脊髄液の硬膜外への漏出により脳脊髄液量が減少し,起立性頭痛をはじめとする多彩な症状を呈する疾患。「国際頭痛分類 第3版」(ICHD-3)では“低髄圧による頭痛〔headache attributed to low cerebrospinal fluid (CSF) pressure〕”に分類され,さらに3項目に細分化されている(表1図)。ICHD-3による診断基準を表2図に示す。
❷脳脊髄液漏出の原因となる手技もしくは外傷後では脳脊髄液瘻性頭痛,原因が明らかでない場合は特発性低頭蓋内圧性頭痛に分類される。
【1】病歴
❶頭痛の特徴:突然,または緩徐に発症する起立時の頭痛が特徴的である。雷鳴頭痛での発症の報告もある。頭部の動き,いきみやくしゃみ,高所などにより増強し,鎮痛薬の効果は乏しい。
❷頭痛以外の症状:約半数に嘔気・嘔吐,頸部痛,項部硬直を伴う。その他,聴覚前庭