頭部CTおよびMRIの正常像のポイント
【1】CT
❶単純CT:正常の白質は灰白質〔皮質および基底核・視床(いわゆる深部灰白質)〕より低吸収を示す(図1図)。これは主に白質の髄鞘の脂肪成分を反映する。脳室などの髄液:低吸収を示す。
❷造影CT:動静脈系全般のほか,脈絡叢,硬膜(大脳鎌など),下垂体などに増強効果がみられる。
【2】MRI
❶T1強調画像で白質は灰白質に比し高信号,T2強調画像では逆に低信号を示す。髄液はT1強調画像やFLAIR像では低信号,T2強調画像では高信号を示す(図2図)。
❷造影T1強調画像での増強効果はCTと異なり正常流速の頭蓋内動脈にはみられない。流れの遅い静脈系や,血液脳関門を欠く脈絡叢,硬膜,下垂体,松果体などに増強効果がみられる。
【3】血管造影
❶MRアンギオグラフィ(MRA):脳内血管を無侵襲で描出可能である。動脈系を対象としたtime-of-flight(TOF)法
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