診断のポイント
【1】60歳以上の高齢男性。
【2】1~2か月前の軽微な頭部外傷の既往(外傷が明確でない症例も多い)。
【3】数日で進行する頭痛と認知症症状,または脳卒中様症状(麻痺,構語障害,歩行障害,失語など)。
【4】頭部CTでは高吸収(high density)域を示すとは限らず,脳への圧排所見で判断する。
【5】抗血栓薬服用,肝機能障害(凝固系機能低下)のある患者。
緊急対応の判断基準
症状が出現している場合は基本的に局所麻酔の手術が必要であるため,脳神経外科手術施設のある医療機関へ紹介搬送する
症候の診かた
【1】認知症症状:典型的な頭蓋内圧亢進症状(頭痛/嘔吐)を呈する例が多いが,認知症症状が主体となった例では頭蓋内圧亢進症状の訴えが明確でないことがある。認知症症状は比較的短期間(数日~1週間程)で進行する。
【2】反応性の低下:精神活動が低下することが多いため反応性の低下した認知症症状,失禁