診療支援
診断

腸炎(急性)
(Acute) Enterocolitis
斉藤 裕輔
(市立旭川病院・病院長)

診断のポイント

【1】症状:発熱,腹痛,下痢,嘔気,嘔吐,血便など(全年齢),基礎疾患の有無。

【2】発症の季節と潜伏期

❶季節:夏季には細菌性腸炎,冬から春にかけてはウイルス性腸炎。

❷潜伏期

細菌性:潜伏期が12時間以内;主に毒素型,12時間以降;主に感染型。

ウイルス性:1~2日。

【3】原因食品摂取の既往,ペット,海外渡航歴,使用薬剤の聴取

❶原因食品:食肉,鶏卵,魚介類,野菜など。

❷ペット:イヌ,ミドリガメなど。

❸海外渡航歴:東南アジア,インドなど。

❹使用薬剤:非ステロイド性抗炎症薬,抗菌薬,プロトンポンプ阻害薬(PPI)など。

【4】便の性状:水様便,緑色便・血便の有無。

緊急対応の判断基準

【1】小児・高齢者の重症例(体温38℃以上,便回数10行以上,膿を含む便・血便,強い腹痛・嘔吐,チアノーゼの出現)では専門施設への移送も考慮する。

【2】腸管出血性大腸菌による溶血性尿毒症症候群(hemoly

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