診断のポイント
診断の流れを図1図に示す。
【1】糖尿病,高血圧,心機能低下をきたす薬剤の投与歴などの心不全のリスク因子。
【2】労作時呼吸困難,頸静脈怒張,浮腫,四肢冷感など典型的な症状や身体所見異常。
【3】胸部X線写真上,心拡大や肺血管陰影増強など肺うっ血所見。
【4】脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)またはBNP前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)高値。
【5】心エコーでの心機能低下所見。
緊急対応の判断基準
【1】慢性心不全は,過労,塩分過剰摂取,感染,服薬コンプライアンス低下などに伴い急性増悪をきたすことがある。
【2】体重増加を伴う運動耐容能低下,四肢冷感などを急速に出現した場合は,専門医にコンサルトすることが望ましい。
症候の診かた
【1】呼吸困難:最も重要な症状である。
❶運動器異常を伴う患者でも,ある程度活動している患者なら以前との比較により増悪を診断しうる。
❷増悪時には起坐呼吸,