診療支援
診断

徐脈性不整脈
Bradyarrhythmias
池田 隆徳
(東邦大学教授・循環器内科学)

診断のポイント

【1】心拍数50/分未満の調律をみたら,徐脈性不整脈を疑う。

【2】徐脈性不整脈は,洞(機能)不全症候群と房室ブロックに分けられる(表1)。

【3】心電図診断に加えて,めまい・失神などの自覚症状(Adams-Stokes発作)の有無を聴取する。

【4】高齢者で多くみられるが,そうでない場合は原因の検索が必要である。

【5】頻脈性不整脈を伴うと,徐脈性不整脈の重症度が増す傾向にある。

緊急対応の判断基準

【1】Adams-Stokes発作,特に失神を認めた場合は,可及的すみやかに循環器専門病院に移送する。経静脈的一時的ペーシングもしくは硫酸アトロピン静注またはイソプロテレノール点滴静注で対応する。

【2】原因として,急性心筋梗塞,急性心筋炎,急性腎不全などが関与することがあり,その場合は緊急移送する。

【3】高度の徐脈が長時間続くと心不全を呈することがあり,早々に循環器専門外来に紹介する。

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