診療支援
診断

低血圧症
Hypotension
大石 充
(鹿児島大学教授・心臓血管・高血圧内科学)

診断のポイント

 下記【1】【2】があることが必須で,ほかに原因となる疾患がない場合には本態性低血圧となる。

【1】WHOの基準:収縮期血圧100mmHg,拡張期血圧60mmHg未満。

【2】低血圧症状(ふらつきや眼前暗黒感,身体のだるさなど)。

【3】二次性低血圧をきたす疾患として,甲状腺機能低下症,Addison病,下垂体疾患といった内分泌疾患は重要である。

緊急対応の判断基準

 皮膚蒼白,頻脈あるいは徐脈,口渇,冷汗,体温低下,呼吸異常,意識障害といったショック状態を伴う低血圧(多くの場合は収縮期血圧90mmHg未満)は,原因検索・除去を優先して,さらに輸血や輸液,強心薬,抗菌薬,ステロイドなどの投与,気道の確保,酸素吸入といった救命処置も必要である。

症候の診かた

【1】低血圧の症状は多彩であるが,一般的な頻度として,立ちくらみ・めまい≫朝起き不良>頭痛・頭重>倦怠感・疲労感>肩こり>動悸>胸痛・

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