診療支援
診断

急性糸球体腎炎
Acute Glomerulonephritis (Acute Nephritic Syndrome)
和田 健彦
(東海大学准教授・腎内分泌代謝内科学)

診断のポイント

【1】先行する咽頭感染または皮膚感染(膿痂疹):病原体としてA群β溶血レンサ球菌が最多である。

【2】3歳以降の小児~若年者に多い。

【3】血尿・浮腫・高血圧が3大徴候である。

【4】補体価の低下(C3優位)とASO・ASKの上昇がみられる。

緊急対応の判断基準

 溶連菌感染後急性糸球体腎炎ではしばしば浮腫や尿量減少,血圧上昇など体液貯留傾向がみられるが,これが顕著かつ持続する場合には血液透析などの腎代替療法が一時的に必要となる場合もある。特に,うっ血性心不全による呼吸不全や酸素化障害が生じた場合にはすみやかな除水が必要となるため,緊急透析の適応について急いで判断するべきである。

症候の診かた

【1】浮腫:水・ナトリウムの再吸収亢進により全身性浮腫が認められることが多い。程度はさまざまであるが,小児例では患者の約3分の2に認められるとされる。

【2】肉眼的血尿:顕微鏡的血尿はほぼ必発であるが

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