診断のポイント
【1】微熱,食欲不振,易疲労感,全身倦怠感,無月経,性欲低下,低血圧症など,非特異的な症状によって受診する場合が多い。
【2】性腺機能低下を伴う場合,眉毛や髭の減少などの特徴的顔貌・容姿を呈するので,見逃さないようにする。
【3】低ナトリウム血症,低血糖を認めることが多い。
【4】頭頸部の画像診断中に偶発的に,間脳下垂体腫瘍として発見されることがある。
【5】副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)系や甲状腺刺激ホルモン(TSH)系のみならず,性腺系や成長ホルモン(GH)系もQOLにきわめて重要な役割を果たしているため正確な診断を要する。
緊急対応の判断基準
低血糖や低ナトリウム血症など,副腎クリーゼを疑う異常を認めた場合は,生理食塩液にブドウ糖を混じた輸液に加え,ヒドロコルチゾン静注を行い,専門施設へ移送する。
症候の診かた
障害される下垂体ホルモンの種類や程度によって,症状は異なる(表1図)
関連リンク
- 今日の診断指針 第8版/Addison病
- 今日の診断指針 第8版/原発性甲状腺機能低下症
- 今日の診断指針 第8版/Bartter症候群/Gitelman症候群
- 臨床検査データブック 2023-2024/副腎皮質刺激ホルモン〔ACTH〕 [保] 189点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/CRH(CRF)負荷試験(コルチコトロピン放出ホルモン負荷試験) [保] 1,200点(包)
- 新臨床内科学 第10版/1 先端巨大症
- 新臨床内科学 第10版/4 下垂体機能低下症
- 新臨床内科学 第10版/(1)副腎腺腫,副腎過形成(ACTH非依存性大結節性副腎皮質過形成)
- 今日の診断指針 第8版/下垂体腺腫
- 今日の診断指針 第8版/先端巨大症