診療支援
診断

強直性脊椎炎
††
Ankylosing Spondylitis (AS)
亀田 秀人
(東邦大学教授・内科学講座膠原病学分野(医療センター大橋病院))

診断のポイント

【1】45歳未満の若年発症で,男女比は約3:1。

【2】炎症性背部痛が特徴で,安静ではなく運動で改善。

【3】遺伝的素因としてHLA-B27陽性が重要。

【4】仙腸関節のX線基準を必須とした進行例に対する診断名で,早期ではX線基準を満たさずnon-radiographic axial spondyloarthritis(nr-axSpA)とよばれる。

【5】対称性の脊椎靱帯骨棘(syndesmophyte)形成が特徴的(図1)。

症候の診かた

【1】炎症性背部痛:40歳未満の若年者に緩徐に発症,安静で改善せずむしろ睡眠中に増悪,起床後の運動で改善,非ステロイド性抗炎症薬の反応性良好。

【2】付着部炎:腱や靱帯の付着部に圧痛(末梢なら腫脹も伴う)を認め,踵のアキレス腱付着部,腸骨稜や腸骨棘,脊椎棘突起の靱帯付着部などが好発部位。

【3】体軸の可動域制限:腰椎の可動域制限(Schober試験で

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