診療支援
診断

伝染性紅斑
Erythema Infectiosum
石地 尚興
(東京慈恵会医科大学教授・皮膚科学講座)

診断のポイント

【1】小児に多い。

【2】典型的な皮膚症状。

【3】全身症状は軽微。

【4】妊婦あるいは妊娠の可能性がある女性ではヒトパルボウイルスB19に対するIgM抗体を測定。

症候の診かた

【1】前駆症状:通常7~11日の潜伏期間ののちに,軽度の発熱や悪寒,頭痛,倦怠感などの症状がみられる。

【2】小児の皮疹

❶小児では両頰部に平手打ち状と呼称される紅斑を生じることから,「りんご病」とよばれる(図1)。

❷同時に前腕を中心にレース状の紅斑がみられることもある。

❸2週間以内に自然消退するが,日光曝露で頰部の紅斑が再燃することがある。

【3】成人の症状

❶小児と比較して症状は多彩で,頰部の紅斑がみられることはまれである。

❷比較的多くみられる皮疹は四肢の紅斑である。

❸関節痛や関節の腫脹などの関節症状や発熱などの全身症状を伴うことも多い。

❹ほかにも風疹様の紅斑,多形紅斑,点状紫斑,papular-purpuri

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