診療支援
診断

トキソプラズマ症
Toxoplasmosis
野呂瀬 一美
(千葉大学大学院特任准教授・感染生体防御学)

診断のポイント

【1】免疫不全状態の日和見感染症。

【2】原因不明のリンパ節腫脹,脳炎,脳膿瘍,肺炎,心筋炎,肝脾腫,網脈絡膜炎,ぶどう膜炎など。

【3】初感染の妊婦,水頭症,脳内石灰化。

【4】生肉の摂取,ネコの飼育歴,高浸淫国(ブラジル,フランスなど)出身者。

【5】HIV感染症例に強力な抗レトロウイルス療法(anti-retroviral therapy:ART)開始後の免疫再構築症候群(immune reconstitution inflammatory syndrome:IRIS)。

症候の診かた

【1】先天性トキソプラズマ症:児の胎内死亡,流産,早産,死産,脳内石灰化,水頭症,小頭症,網脈絡膜炎,小眼球症,精神運動発達遅延,けいれん,肝脾腫,黄疸,リンパ節腫脹,発疹,発熱など。

【2】後天性トキソプラズマ症

❶ほとんどの場合が不顕性であるが,免疫不全に陥ると顕性になる。

❷脳炎,脳膿瘍,肺炎,心筋

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?