診断のポイント
【1】急激な視力低下。
【2】急激な視野障害。
【3】RAPD(relative afferent pupillary defect)陽性。
【4】MRI脂肪抑制画像検査で視神経の高信号。
【5】造影MRI T1強調画像で視神経に沿って造影効果。
緊急対応の判断基準
【1】矯正視力0.3未満の急激な視力低下を認めた場合,専門病院へ至急紹介が必要である。
【2】特に,手足のしびれや感覚障害などが認められた場合は,多発性硬化症や視神経脊髄炎を併発している可能性がある。
症候の診かた
【1】視力低下:急激な視力低下をきたす。通常,片眼から始まり,両眼性の場合は1~2週間おいてから僚眼が発症する。
【2】視野障害:視野障害は中心暗点や盲点中心暗点をきたすことが多いが,病変が視神経の後方にまで及んでいる場合は,両耳側半盲,同名半盲,全視野欠損のこともある。
【3】眼球運動痛:後述する抗myelin-oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体陽性視神経炎では眼球運動痛を伴うことが多い。
検査所見とその読みかた
【1】眼底所見:視神経乳頭腫脹をきたす場合(視神経乳頭炎)と,きたさない場合(球後視神経炎)とがある。
【2】RAPD:陽性になることが多いが,両眼同時の視神経炎ではRAPDは陰性となる。
【3】MRI
❶単純脂肪抑制画像(T1もしくはT2強調STIRなど)を行い,活動性の高い視神経炎を確定診断する(図1図)。
❷繰り返す視神経炎で視神経萎縮をきたしている場合,炎症がなくても視神経に沿って高信号となるため,より正確には造影MRI T1強調画像で,病変部の造影効果を確かめる必要がある。
【4】視覚誘発電位(VEP)検査:再発性視神経炎では行うこともある。通常,潜時が延長しており,振幅は正常より低い。
確定診断の決め手
単純MRI T1もしくはT2強調脂肪抑制画像で視神経に沿った
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