診療支援
治療

精神疾患に伴う不眠
insomnia associated with psychiatric disorders
小鳥居望
(久留米大学講師・神経精神医学講座)
内村直尚
(久留米大学教授・神経精神医学講座)

◆疾患概念

【定義・病型】

 DSM-5あるいはICD-10により規定される精神疾患に伴って出現する不眠や過眠などの睡眠障害である.精神疾患に伴う不眠は,国際標準分類のICSD-2(睡眠障害国際分類第2版)では睡眠障害の鑑別を行う際に出合うことが多い一群として付録Bに掲載されており,気分障害,不安障害,身体表現性障害,統合失調症とその他の精神病性障害,幼児期・小児期または青年期に診断される障害,パーソナリティ障害に細分化されている.

【疫学・病態】

 睡眠障害はほとんどの精神障害で生じるが,逆に不眠を訴える者の40%と過眠を訴える者の46.5%がDSMの何らかの精神疾患の基準を満たすなど,両者はきわめて深いつながりの中にある.

 病因は疾患により異なるが,種々のストレスや抑うつ,不安・緊張,精神運動興奮などの情動などが,視床下部-下垂体-副腎皮質系hypothalamo-pituitary-adre

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