治療のポイント
・栄養・摂食・吸収障害の存在や,薬物・中心静脈栄養の際に注意が必要である.
・まれではあるが先天代謝異常症や,吸収障害を呈する疾患の存在も念頭におく.
・摂取推奨量と治療量を意識して過剰投与に注意する.
●病態
・ビタミンとはヒトが生存に必要不可欠であるが,体内で合成できない有機化合物のうち必要量が微量なものの総称であり,13種類存在する.
・水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに大別され,一般的に水溶性ビタミンは過量摂取してもすみやかに尿中に排泄されるため過剰症はきたしにくいが,脂溶性ビタミンは蓄積性が高く過剰症を伴いやすい.
・欠乏症および過剰症は,食習慣やサプリメントなどの栄養環境によるものや,内服薬や中心静脈栄養,消化管切除後などの治療に伴うものが多く,注意深い問診が診療上重要である.
・近年の小児科領域で特徴的な欠乏症としてはイオン飲料の多飲によるビタミンB1欠乏症や,加水分解乳やアミ
関連リンク
- 今日の小児治療指針 第17版/ビタミンD欠乏症
- 治療薬マニュアル2024/フルスルチアミン塩酸塩《アリナミンF》
- 治療薬マニュアル2024/フラビンアデニンジヌクレオチド(ナトリウム)《フラビタン》
- 治療薬マニュアル2024/リボフラビンリン酸エステルナトリウム《ビスラーゼ ホスフラン》
- 治療薬マニュアル2024/ピリドキシン塩酸塩(塩酸ピリドキシン)《ビーシックス ビタミンB6 ビタミンB6》
- 治療薬マニュアル2024/コバマミド《ハイコバール》
- 治療薬マニュアル2024/シアノコバラミン《シアノコバラミン》
- 治療薬マニュアル2024/葉酸《フォリアミン》
- 治療薬マニュアル2024/ビオチン(ビタミンH)《ビオチン》
- 治療薬マニュアル2024/ニコチン酸アミド《ニコチン酸アミド》
- 治療薬マニュアル2024/アスコルビン酸《ハイシー ビタシミン アスコルビン酸》
- 治療薬マニュアル2024/レチノールパルミチン酸エステル《チョコラA》
- 治療薬マニュアル2024/トコフェロール酢酸エステル《ユベラ》
- 治療薬マニュアル2024/メナテトレノン《ケイツー ケイツー》
- 今日の治療指針2024年版/ビタミン欠乏症・過剰症・依存症
- 新臨床内科学 第10版/(5)ビタミンB1欠乏症
- 新臨床内科学 第10版/(7)ビタミンB6欠乏症
- 新臨床内科学 第10版/(12)ビオチン欠乏症
- 新臨床内科学 第10版/1 ウィルソン病
- 今日の小児治療指針 第17版/ホモシスチン尿症
- 今日の小児治療指針 第17版/Wilson病
- 今日の小児治療指針 第17版/ビタミン代謝異常(葉酸,ビオチン,B12)
- 今日の小児治療指針 第17版/微量元素欠乏症