●病態
・ビタミンD欠乏症とは,ビタミンDが少ないために,身体的・骨X線学的徴候を呈した場合をいう.小児のビタミンD欠乏による主な徴候としては,くる病と低カルシウム血症がある.生体内のビタミンDの供給源には,食事からの摂取と,皮膚における紫外線による合成がある.
・近年のビタミンD欠乏症の背景には,ビタミンDの合成の低下と摂取の低下の両方の要因が考えられる.紫外線の害を心配して紫外線を避けすぎることや,日焼け止めクリームの常用によりビタミンD合成が低下する.
・摂取するビタミンDは,魚,卵,きのこ,乳児用ミルクなどに多く含まれる.カルシウム摂取の低下は悪化要因となる.
●治療方針
ビタミンD欠乏症の治療はビタミンDの内服を行う.本来ビタミンD欠乏症の治療は,天然のビタミンDの補充でよい.現在,日本で処方できる乳児用製剤は活性型ビタミンD製剤しかないため,過剰投与に注意して調節する.初期はやや多めに
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/アルファカルシドール《アルファロール ワンアルファ》
- 治療薬マニュアル2024/乳酸カルシウム水和物《乳酸カルシウム》
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビタミンAおよびカロチノイド レチノール
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビタミンAおよびカロチノイド β-カロチン
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビタミンB2《リボフラビン》 [保] 242点
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビタミンB6《ピリドキシン》
- 臨床検査データブック 2023-2024/ニコチン酸《ナイアシン》,ニコチン酸アミド《ニコチナミド》
- 新臨床内科学 第10版/ビタミンの欠乏症と過剰症,依存症
- 新臨床内科学 第10版/(2)ビタミンD欠乏症・過剰症・依存症
- 新臨床内科学 第10版/(12)ビオチン欠乏症
- 今日の小児治療指針 第17版/ビタミンD欠乏性くる病・低カルシウム血症