診療支援
治療

全身性炎症反応症候群
systemic inflammatory response syndrome(SIRS)
梅林宏明
(宮城県立こども病院リウマチ・感染症科・科長)

●病態

・全身性炎症反応症候群(SIRS)は,感染に限らず外傷・熱傷などの非感染性の侵襲,あるいは免疫・炎症性疾患や急性膵炎などが引き起こす,非特異的全身性炎症反応である.

・生体への侵襲により炎症性サイトカインや各種ケミカルメディエーターが全身を循環し,血管内皮細胞や好中球の活性化を生じ,制御されない炎症は血管内皮細胞傷害,最終的には多臓器不全に至る.

・診断基準項目には体温,呼吸数,心拍数,白血球数があげられるが,年齢によってその基準値が異なる.また血圧や意識状態,凝固系や腎機能検査などの臓器機能障害の程度で重症度が異なってくる.

・「日本版敗血症診療ガイドライン2016」では,小児における敗血症やSIRSについて独立した章のなかで記載されている.

●治療方針

 SIRSの治療は原因の除去,播種性血管内凝固症候群(DIC)への対応ならびに呼吸,循環を含めた全身管理,高サイトカイン血症の是正を目的と

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