診療支援
治療

喘息の長期管理(運動誘発喘息も含む)
long-term management of asthma(including exercise-induced asthma)
荒川浩一
(社会福祉法人希望の家附属北関東アレルギー研究所・所長)

治療のポイント

・基本病態である気道炎症を抑制し,無症状状態の維持,呼吸機能の正常化,QOLの改善をはかる.

・危険因子(受動喫煙,ペットへの曝露など)への対応,患者教育やパートナーシップの向上にも努める.

・「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017」の薬物療法プランにより,重症度に応じた治療ステップの基本治療から治療を開始する.

・吸入ステロイドを使用中は,少なくとも年1回の身長測定を行う.

●病態

・可逆性の気流制限によって特徴づけられる慢性の気道炎症を特徴とする疾患で,小児の慢性呼吸器疾患のなかで最も一般的にみられる.小児ではアトピー型喘息が主体で,IgE抗体の関与するアレルギー性気道炎症が中心となる.

・症状は,発作性に喘鳴や咳嗽,呼気延長を伴う呼吸困難を繰り返し,ごくまれには致死的となる.

・診断は,アトピー素因,臨床症状,臨床所見,呼吸機能検査などを参考に総合的に判断する.類似症状を示す

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