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[感]5類
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●病態
・Neisseria gonorrhoeaeによる細菌感染症であり,粘膜を介して主に性交渉による感染伝播を生じる.小児における臨床像は,①感染母体から経腟感染による新生児結膜炎,②性的虐待による感染,③思春期における通常の性感染症が想定される.
・臨床像としては男性の尿道炎,女性の腟炎が大部分を占めるが,あらゆる粘膜に定着し性交渉の様式に応じて咽頭炎,直腸炎,結膜炎の病型も時に呈する.未治療例の3%程で播種性淋菌感染症に至り,発熱,発疹,関節炎などの症状を呈し,非常にまれに感染性心内膜炎や髄膜炎を合併する.
・新生児では播種性感染はまれとされるが,発疹が目立たないという臨床的な特徴があり,特徴的な臨床像として電極部貼付部の皮下膿瘍が知られる.
・原則として上記を疑う病歴あるいは所見があれば,検査および治療を行う.検査は培養検査を主体とするが,尿道炎ではグラム染色も非常に感度が高い.冷所に弱い菌種でもあるため,すぐに培養検査が提出できない施設においては核酸検出検査が使いやすい.
・女性の場合には尿より腟のぬぐい液のほうが検体として望ましいとされ,自己採取が可能な年齢であれば自己採取で検査を実施してもよい.
●治療方針
フルオロキノロンやアジスロマイシンは耐性が多く,第3世代セファロスポリン系抗菌薬の注射薬を用いて,表1図に準じて抗菌薬治療を行う.性交渉での感染の場合にはパートナーの治療についても強く推奨する.治療と同時に梅毒,HIVを含めたほかの性感染症スクリーニングを行うべきである.
■専門医へのコンサルト
・播種性感染例や髄膜炎例では,小児感染症専門家へのコンサルトを行う.
参考文献
1)Hsu KK,et al:P