診療支援
治療

線虫症,吸虫症,条虫症
nematodiasis,trematodiasis,cestodiasis
大西健児
(鈴鹿医療科学大学看護学部・教授)

●病態

・線虫,吸虫,条虫は,成虫あるいは幼虫が人体に寄生し,そこから栄養を得て生存する多細胞動物(蠕虫)で,寄生部位によりさまざまな影響を人体に与える.

・寄生部位は腸管,肺,肝臓,眼球,血管腔など,虫種により多岐にわたる.

・線虫症:代表的な疾患として蟯虫症,アニサキス症,回虫症,鞭虫症,トキソカラ症(イヌ・ネコ回虫症),糞線虫症などがある.

・吸虫症:代表的な疾患として横川吸虫症,異形吸虫類症,肺吸虫症,住血吸虫症などがある.

・条虫症:代表的な疾患として日本海裂頭条虫症,瓜実条虫症,無鉤条虫症,多包虫症などがある.

●治療方針

A.線虫症

1.蟯虫症

 肛門周囲瘙痒感などの症状を呈する.肛門周囲にテープ(専用テープあり)を粘着させ,それを顕微鏡で観察し虫卵を検出することで診断する.

 時に母親が肛門周囲の成虫に気づくことがある.コンバントリン錠やそのドライシロップ,メベンダゾール錠,エスカゾール錠の有

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