治療のポイント
・胸水排液と抗菌薬療法が基本となる.
・貯留液が適当量あり採取可能なとき,抗菌薬を投与するときは,胸腔穿刺を行う.
・胸水が膿性のとき,抗菌薬療法への反応が悪いとき,貯留液で呼吸機能が障害されているときは,持続ドレナージを行う.
・膿胸では,胸水の塗抹グラム染色所見を参考に,初期抗菌薬を選択する.
・菌血症を合併していなければ,標準的治療期間は7日間である.
・抗菌薬療法やドレナージへの反応が十分でない症例では,線維素溶解療法や胸腔鏡下剥皮術を行う.
●病態
・胸膜炎は,胸膜の炎症であり,壁側胸膜と臓側胸膜で囲まれた胸膜腔に胸水が貯留する.
・発熱,咳嗽,胸痛,腹痛,努力呼吸がみられる.
・理学所見では,病変側の呼吸音減弱,胸膜摩擦音,打診での濁音を認める.
・胸水貯留が明らかでない線維素性(乾性)胸膜炎,漿液性の胸水が貯留する滲出性(湿性)胸膜炎,膿性の胸水が貯留する膿胸に分けられる.
・線維素
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