診療支援
治療

気胸・縦隔気腫
pneumothorax,mediastinal emphysema(pneumomediastinum)
本村知華子
(国立病院機構福岡病院小児科・医長)

Ⅰ.気胸

●病態

・気胸とは胸腔内に空気が貯留した病態である.肺が虚脱した際に胸痛,背部痛,呼吸困難などの症状がみられる.

・特発性自然気胸,続発性自然気胸,外傷性,医原性などによる気胸に分類できる.

・自然気胸は肺胞が嚢胞化したブラ・胸膜直下のブレブの破裂によって起こり,背が高く痩せ型で,10~20歳代の若い男性に多い.

・気胸の発症を契機に,Marfan(マルファン)症候群,Ehlers-Danlos(エーラス・ダンロス)症候群などの結合織異常を診断されることもある.

●治療方針

 気胸の重症度を判定し,虚脱した肺の再膨張を行う.人工呼吸,陽圧補助呼吸管理中の気胸,気胸をきたした胸腔が陽圧となり対側の肺や心臓を圧迫する緊張性気胸,両側性気胸の場合はすみやかに処置を開始する.

A.安静,酸素吸入

 軽度(胸部X線で肺尖が鎖骨より頭側)の場合に適応となる.

B.胸腔穿刺,持続ドレナージ

 中等度の場合や安静によ

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