診療支援
治療

新生児動脈管依存性心疾患のプロスタグランジン療法
prostaglandin E1 therapy in neonates with duct dependent congenital heart disease
吉本裕良
(国立病院機構相模原病院小児科)

●病態

・1975年にElliottらが初めて動脈管開存の維持にプロスタグランジンE1(PGE1)が有効であることを報告して以降,PGE1は動脈管依存性心疾患の治療に欠くことのできない治療薬となっている.

・動脈管依存性心疾患は,以下のような3群に分類される.

 a)肺血流を動脈管に依存している群:心室中隔欠損を伴わない肺動脈弁閉鎖(純型肺動脈弁閉鎖),三尖弁閉鎖,重症肺動脈弁狭窄,両大血管右室起始,Fallot(ファロー)四徴,単心室,重度Ebstein(エプスタイン),完全大血管転位Ⅲ型など.生後動脈管が閉塞するにつれてチアノーゼが増強する

 b)体血流を動脈管に依存している群:大動脈縮窄,大動脈弓離断症候群,左心低形成症候群がある.生後動脈管が閉塞してくると,体血圧が低下して高度の心不全やショック(ductal shock)を生じ,無尿となる

 c)体・肺循環が並列でmixingが必須な群:完

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