●病態
・成熟赤血球の崩壊亢進による赤血球寿命の短縮によって発症する単一遺伝子病の総称である.サラセミア(地中海貧血)は,溶血よりもヘモグロビン分子の不均衡による無効造血が一義的原因だが,小児では先天性溶血性貧血として分類されることが多い.
・原因は赤血球膜蛋白,酵素およびヘモグロビンの異常に大別され,わが国では特に膜蛋白異常症の割合が高い.
a)赤血球膜蛋白異常症:遺伝性球状赤血球症(HS:hereditary spherocytosis)は家族集積性が高い.HSのほか遺伝性楕円赤血球症などがある.赤血球の形態診断と遺伝子異常は必ずしも一対一対応ではない
b)ヘモグロビン異常症:サラセミアが最も多く,日本人の約1,000人に1人とされ,そのほとんどはβサラセミアである.まれに不安定ヘモグロビン症などがある
c)赤血球酵素異常症:ピルビン酸キナーゼ(PK)異常症,男児のグルコース-6-リン酸脱
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