診療支援
治療

急速進行性糸球体腎炎
rapidly progressive glomerulonephritis(RPGN)
藤永周一郎
(埼玉県立小児医療センター腎臓科・科長)

●病態

・急速進行性糸球体腎炎(RPGN)は「腎炎を示す尿所見(糸球体性血尿,蛋白尿,赤血球円柱,顆粒円柱)を伴い数週間から数か月の経過で急速に腎不全が進行する症候群」と定義される.

・RPGNは臨床症候群であり,腎のみ障害される一次性と全身性疾患,感染症,薬剤による二次性に大別される.

 a)一次性RPGNは,時に肉眼的血尿を認めるが,無症状で学校検尿によって発見される症例も存在する

 b)二次性RPGNは,原疾患により肺出血(顕微鏡的多発性血管炎),紫斑,腹痛,関節痛(IgA血管炎),発熱,頬部紅斑(全身性エリテマトーデス)といったさまざまな腎外症状を認める

・高度蛋白尿を認め,急速に腎機能障害が進行し,無治療の場合,高率に末期腎不全へ至る予後不良な疾患である.

・共通の病理所見として壊死性半月体形成性糸球体腎炎を認め,蛍光抗体法を用いた免疫グロブリンの沈着様式により,①顆粒状型(免疫複合体型),

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?