診療支援
治療

IgA腎症
IgA nephropathy
亀井宏一
(国立成育医療研究センター腎臓・リウマチ・膠原病科・診療部長)

治療のポイント

・蛋白尿の程度と腎生検所見によって治療方針を決める.

・ステロイドの副作用,特に小児では成長障害に注意しながら治療する.

・レニン・アンジオテンシン系阻害薬(RAS-I)の副作用,休薬すべきタイミング,また女子には妊娠中は使用できないことなどを伝えておく.

・寛解後も再燃する可能性があることを知っておく必要がある.

●病態

・糸球体メサンギウム細胞の増加とメサンギウム領域にIgAの沈着を特徴とし,慢性糸球体腎炎のなかで最も頻度の高い疾患である.

・糖鎖不全のIgA1の免疫複合体がメサンギウム領域に沈着し,メサンギウム細胞の増殖,各種サイトカインの産生,マクロファージなどの炎症細胞の浸潤などが起こる.

・血尿および蛋白尿を呈する.わが国では約70%が学校検尿で発見されるが,上気道炎後の肉眼的血尿が特徴的である.まれにネフローゼ症候群で発症する.

●治療方針

 高度蛋白尿,びまん性メサンギウム増殖

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら