●病態
・全身性エリテマトーデス(SLE)は,DNAの修復障害やアポトーシス細胞のクリアランス障害,死細胞由来のDNA,RNA処理にかかわる樹状細胞によるI型インターフェロンの過剰産生,自己抗体の過剰産生を背景として,免疫複合体の沈着を介して諸臓器に障害をきたす全身性の慢性炎症性疾患である.
・小児では発症3年までに90%に腎炎を認め,国際腎臓学会/国際腎病理学会分類Ⅲ~Ⅴ型の重症例が多い.
●治療方針
低リスク,中等度リスク〔Ⅱ型(尿蛋白>1.0g/日),Ⅴ型〕,高リスク(Ⅲ型,Ⅳ型,Ⅴ+Ⅲ型,Ⅴ+Ⅳ型)に分けて治療を行う.
A.低リスク群
プレドニゾロン(PSL)治療を行う.ヒドロキシクロロキン(HCQ)を併用することが望ましい.
Px処方例 下記➊➋を併用する.
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/プレドニゾロン《プレドニン プレドニゾロン プレドニゾロン プレドニゾロン》
- 治療薬マニュアル2024/ヒドロキシクロロキン硫酸塩《プラケニル》
- 治療薬マニュアル2024/メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム《ソル・メドロール》
- 治療薬マニュアル2024/ミコフェノール酸 モフェチル《セルセプト》
- 治療薬マニュアル2024/タクロリムス水和物《プログラフ》
- 治療薬マニュアル2024/ミゾリビン《ブレディニン》
- 治療薬マニュアル2024/シクロホスファミド水和物《エンドキサン》
- 今日の治療指針2024年版/アシクロビル
- 今日の治療指針2024年版/カボテグラビルナトリウム
- 今日の治療指針2024年版/ネフローゼ症候群
- 臨床検査データブック 2023-2024/CCR4蛋白 [保] 10,000点
- 今日の小児治療指針 第17版/膜性腎症