●病態
・呼吸障害の原因は,酸素化障害と換気不全に分けられる.
A.酸素化障害
・肺胞レベルでのガス交換の障害.肺炎などの気道感染症,摂食物や口腔内分泌物の誤嚥,微小無気肺,間質性肺炎,肺水腫など.酸素を肺毛細血管に取り込むことができずSpO2は低下するが,pCO2はガスの特性上,換気さえ保たれていれば上昇せず,呼吸苦により多呼吸になることでむしろ低下する.
B.換気不全
・肺全体として換気が不十分になる.脳,脊髄,神経,筋肉,肺実質,胸郭運動の異常など.SpO2は軽度低下し,pCO2は上昇する.
・小児の慢性呼吸障害では,心疾患や誤嚥を除き換気不全が原因であることが多い.
・慢性換気不全の症状として,疲労感,集中力低下,朝の頭痛,夜間の発汗過多,頻回の気道感染などがあるが,いずれも非特異的な症状であり他疾患との鑑別が重要である.
●治療方針
酸素化障害と換気不全のいずれが主な原因であるかを区別して治療や