アミカシン硫酸塩《アミカシン硫酸塩》 | 医学書院

適応

〈適応菌種〉アミカシンに感性の大腸菌，シトロバクター属，クレブシエラ属，エンテロバクター属，セラチア属，プロテウス属，モルガネラ・モルガニー，プロビデンシア属，緑膿菌　〈適応症〉敗血症，外傷・熱傷及び手術創等の二次感染，肺炎，肺膿瘍，慢性呼吸器病変の二次感染，膀胱炎，腎盂腎炎，腹膜炎

用法

筋注：1回100～200mg　1日1～2回(増減)　►注射用には1Vに生食液又は注射用水1～2mLを加え溶解　点滴静注：1回100～200mg　1日2回(増減)　►100～500mLの補液中に100～200mgの割合で溶かし，30分～1時間で投与　►腎障害患者には注意　小児筋注：1日4～8mg/kg　分1～2(増減)　点滴静注：1日4～8mg/kg　1日2回(増減)　〔新生児・低出生体重児〕1回6mg/kg　1日2回　注意腎障害患者：投与量，投与間隔を調製

禁忌

過敏症(本剤，アミノグリコシド系抗生物質，バシトラシン)

注意

〈基本〉

①本剤によるショック，アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので，次の措置をとる

a)事前に既往歴等について十分な問診．尚，抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認

b)投与に際しては，必ずショック等に対する救急処置の準備

c)投与開始～終了後まで患者を安静の状態に保たせ十分な観察．特に，開始直後は注意深く観察

②眩暈，耳鳴，難聴等の第8脳神経障害→慎重に，特に腎機能障害患者，高齢者，長期間投与及び大量投与患者等では血中濃度が高くなり易く，聴力障害の危険性がより大きくなる→聴力検査の実施が望ましい．アミノ配糖体系抗生物質の聴力障害は，高周波音に始まり低周波音へと波及．障害の早期発見の為聴力検査の最高周波数8kHzでの検査が有用

③急性腎不全等の重篤な腎障害出現→慎重に

④投与後は血中濃度をモニタリングすることが望ましい

⑤耐性菌の発現等を防ぐため，原則として感受性を確認