診療支援
治療

エムポックス(サル痘) [■4類感染症]
mpox
飯沼由嗣
(金沢医科大学教授・臨床感染症学)

頻度 あまりみない(感染症法で報告された件数は,2021年0件,2022年7件,2023年8月4日時点で194例と急増している)

治療のポイント

・感染者との接触歴や症状からエムポックスを疑う.

・各地の保健所に連絡し,病変部位からのPCR検査を依頼し,確定診断する.

・tecovirimatが海外では治療薬として承認されているが,国内では未承認である.

・天然痘ワクチンが感染予防に有効である.

◆病態と診断

A病態

・エムポックスウイルスによる急性発疹性疾患である.

・WHOは2022年11月,名称をサル痘(monkeypox)からエムポックス(mpox)に変更すると発表した.

・2022年の流行以前は,主にアフリカ中央部~西部の地域流行性感染症であった.

・2022年5月以後,欧米を中心とした各国からエムポックス患者の報告が急増した.

・現在流行しているエムポックスは,感染者の皮膚病変や呼吸器飛沫への曝露など

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