診療支援
治療

胃切除後障害
postgastrectomy disturbances
樋口 格
(北里大学・上部消化管外科学)

頻度 ときどきみる

治療のポイント

・胃切除後障害は,胃の切除範囲や再建方法により生じる症状は多岐にわたるため,的確に診断し治療する必要がある.

Ⅰ.早期ダンピング症候群(食後30分以内)

◆病態と診断

・高浸透圧の食物が小腸内に急速に流入することによって,細胞外液の腸管内移動,消化管ホルモンの分泌により腹部症状および全身症状を引き起こす.

・腹部膨満,腹痛,下痢,嘔吐など腹部症状と,眠気,冷汗・動悸,めまいなどの全身症状が出現する.

◆治療方針

 食事指導:少量頻回食とし,高蛋白・高脂肪・低炭水化物の食事を,食事中の水分量を減らしてゆっくり摂取する.

Ⅱ.後期ダンピング症候群(食後2~3時間後)

◆病態と診断

・食物が急速に小腸内に排出され,一過性の高血糖を引き起こし,反応性にインスリンが過剰分泌することで,低血糖を引き起こす.

・全身倦怠感,冷汗,脱力感,動悸,めまいなどの低血糖症状を呈する.

◆治療方針

 食事

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