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GL高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版[2022年追補版]
治療のポイント
・高尿酸血症は,性別,年齢を問わず,血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるものと定義されている.
・腎障害を認める場合には血清尿酸値8.0mg/dL以上を目安に生活指導に加えて薬物治療を考慮する.
・腎障害合併例では尿酸降下薬として原則として尿酸生成抑制薬を使用する.
・腎障害合併例では尿酸生成抑制薬と新規の尿酸排泄促進薬との併用療法も有効である.
・血清尿酸値は6.0mg/dL以下を治療目標とする.
◆病態と診断
A病態
・高尿酸血症は尿酸一ナトリウム沈着による尿酸塩沈着症として痛風腎の原因となる.
・尿酸一ナトリウム沈着を介さない病態として,高尿酸血症は酸化促進作用,内皮機能障害,レニン・アンジオテンシン系の活性化などにより腎障害を発症・進展させる可能性が示唆されている.
・高尿酸血症は腎負荷型(尿酸産生過剰型と腎外排泄低下型),尿酸排泄低下型,混合型に分類される.
B診断
・痛風関節炎や痛風結節が腎機能障害に先行する場合には痛風腎を考慮する.
・痛風関節炎や痛風結節を認めない無症候性高尿酸血症の場合には高尿酸血症が腎障害の発症や進展と関連している可能性を考慮する.
◆治療方針
痛風発作を認めていなくても尿酸値の管理は重要である.腎障害を有する高尿酸血症患者に対して尿酸降下薬を用いることが条件付きで推奨されている.生活指導と薬物療法がある.
A生活指導
生活指導は食事療法,飲酒制限,運動の推奨が中心となる.
食事療法としては十分な飲水,適正なエネルギー摂取,プリン体の過剰摂取制限に加えて果糖の過剰摂取制限も重要である.
B薬物療法
尿酸降下薬として尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬があるが腎障害を認める場合には原則として尿酸生成抑制薬を使用する.
尿酸生成抑制薬としてプリン型キサンチン酸化還元酵素阻害薬のアロプリ