頻度 あまりみない
GL造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版
ニュートピックス
・再発または難治性ATLに対する新しい分子標的薬として,バレメトスタットが登場し,治療の選択肢が増えた.
治療のポイント
・Japan Clinical Oncology Group(JCOG)の臨床病型分類により治療方針を決定する.
・70歳未満のアグレッシブATL患者で,初回化学療法が奏効した場合は,同種造血幹細胞移植(allo-SCT:allogeneic hematopoietic stem cell transplantation)を積極的に検討する.
・治療中は日和見感染症の合併に注意を払う.
◆病態と診断
A病態
・ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型(HTLV-1:human T-cell leukemia virus type 1)を病因ウイルスとする末梢性T細胞腫瘍で,九州・沖縄地方を中心とする西南日本に好発する.
・花弁様細胞とよばれる核に切れ込みの入った異常リンパ球の出現を伴う白血球増多,リンパ節腫脹,皮膚病変,ATL細胞の浸潤による多臓器障害,高LDH血症,高Ca血症,可溶性インターロイキン2受容体上昇を認め,日和見感染症の合併も多い.
・急性型,リンパ腫型,慢性型,くすぶり型の4病型に分類され,急性型,リンパ腫型,予後不良因子(LDH,アルブミン,BUNのいずれか1つ以上が異常値)を有する慢性型はアグレッシブATL,予後不良因子を有していない慢性型とくすぶり型はインドレントATL,の大きく2つに分けられ,治療方針が決められる.
B診断
・抗HTLV-1抗体陽性で,腫瘍細胞表面形質が末梢性T細胞であることを確認する.
・腫瘍細胞表面形質はCD4陽性かつCD8陰性を示すことがほとんどである.
・サザンブロット法によるHTLV-1プロウイルスDNAの単クローン性の組み込みの確認が確定診断となるが,保険適用外の検
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