頻度 あまりみない
GLサルコイドーシス診療の手引き2020
GL膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針2020
治療のポイント
・サルコイドーシスは組織学的に非乾酪性類上皮肉芽腫をきたす全身性の炎症性疾患で,病因不明である.発病時の症状や経過が多彩であり,臓器病変や症状により治療が異なる.さらにQOLや生命予後に影響する臓器病変がなければ経過観察という選択肢もある.
・寛解導入療法の中心は副腎皮質ステロイドで,難治例や寛解維持療法では免疫抑制薬を併用する.
・進行性線維化を伴う肺病変に対しては抗線維化薬が考慮される(→,「特発性肺線維症」の項を参照).
◆病態と診断
A病態
・若年者から高齢者まで幅広く発症する.両側肺門リンパ節腫大(BHL:bilateral hilar lymphadenopathy),肺,眼,皮膚の罹患頻度が高いが,神経,筋,心臓,腎臓,骨,消化器を含め全身の臓器が障害されうる.組織学的には非乾酪性類上皮肉芽腫の形成が特徴とされる.
・好発年齢は25~60歳と幅広く,女性に多い.本邦では欧米に比し眼,心臓が障害される例が多く,呼吸不全死に比し心臓死が多い.
・病因は不明である.環境因子としてCutibacterium acnesや抗酸菌などの感染に対するTh1型の細胞性免疫応答の異常から全身性の肉芽腫形成が生じている可能性が,また遺伝素因としてHLAのほか,複数の疾患感受性遺伝子の関与の可能性が報告されている.
・「臓器特異的症状」と「(臓器非特異的)全身症状」とがある.臓器特異的症状は,侵された臓器別に生じるもので急性発症型と慢性発症型に分かれる.全身症状としては発熱,体重減少,疲れ,痛み,息切れなどがある.
B診断
・大きく組織診断群,臨床診断群,疑診群に分かれる.詳細は「サルコイドーシス診療の手引き2020」(以下「手引き」)を参照.
・診断は厚生労働省の定める診断基準を